まねきね娘blog

冷蔵庫が壊れたのでそのまま生きる

炊飯器の無い新生活

「鍋があれば炊飯器はいらない」

 

上京したとき、祖父母の家にあったらしい使わなくなった炊飯器を無理やり持たされた。お世辞にも清潔とは言い難い外見をしており、こんなもので炊けるか!と、一度も使用することもなく実家に戻した。だから、いらないって言ったのに。

 

じゃあどうやってお米を炊いていたのかと言うと、お鍋である。たいていの人は一度くらいはお鍋で炊いた経験があるのではなかろうか、私は家庭科の授業で習ったがもちろんやり方など覚えているはずもなく。ググりながら失敗を重ね、ついに安定して炊けるようになった。

 

水と米の体積が大体1:1になるように鍋に入れフタをし、強火にして沸騰させ、泡が吹き出る直前に弱火にして10分待ち、火を止めて10分ほっとくだけである。水が多すぎたと思ったら、沸騰させているときにしばらくフタをあけておけばよい。あまり長く開けていると水分を飛ばし過ぎて芯のしっかりとした頼りがいのあるお米が炊きあがってしまうので注意。おこげが欲しいときは食べる直前にでも数秒間強火をあてるといいだろう。焦がすと鍋底一面にこびりついて惨めな気持ちになるのでこれまた注意。

 

やや気を配っておく必要はあるものの、30分かからず炊けてしまう。そう、みんなの救世主、早炊き機能よりも早いのだ。浸水と言う大事な時間をすっ飛ばしているからであるが、私は特に気にならない舌の持ち主なのだ。お米にこだわりのない人であれば、10分の蒸す時間もすっ飛ばしてさらに時短できる。少しペチョッとしているが、おからパウダーでもかければ美味しくいただけるだろう。

 

炊く際のアレンジとして、オリーブオイルを足す、醤油と乾燥しいたけを足す、わかめとゴマとちりめんじゃこを足す...などがある。飽きっぽい私は最終的に、上記を全部にプラスして高野豆腐、ハスの実、けずり粉、鰹節、いりこ、塩昆布、...と、米を脇役に押しやって堪能していた。もはや闇鍋である。だがほうれん草はやめた方がいい、ほんのりと緑がかった視覚に優しいお米が誕生してしまう。これだけ具だくさんにするなら、フライパンがいいだろう。鍋となんら変わらず炊ける。むしろ、火の通りが良い気さえする。

 

こんなに推しておいてなんだが、今ウチには米が無い。ついに炊くことさえ面倒になったのだ。食べたあと歯にくっつくのも嫌だし。虫歯の原因は炭水化物だし。糖尿病の原因だし。動物園の猿は青果しか食べてないし。いけるいける!米と小麦を避けて3日が経ったが、今までで一番太腿が細い。筋肉が欲しい私としては副作用のようなものなのだが、見栄えが多少スリムになるのは悪い気はしない。食に関する話をすると長くなってしまうのでこの辺で。