まねきね娘blog

冷蔵庫が壊れたのでそのまま生きる

初めての映画館

先日、友人に映画館に誘われた。

 

映画館に行ったことのない私は、折り畳めるイスで遊ぶトムとジェリーがいた大きな建物を、辛うじて思い浮かべる。イスの下にチュッパチャップスみたいな武器があるのかなと期待しつつ、やっぱ日本ならこっちかなぁと、アニメでよく見るカップル御用達の映画館も想像する。だが、映画館の外観がわからない。確か、マイケルジャクソンが煌びやかな建物からポップコーンを放り出して彼女を追いかけていった。

 

...どれもあまり参考にならない。行って自分で見てみることにした。

 

シネマシティというところに着いた。映画館と言われなければ気付かず素通りしてしまいそうだ。思ったより地味だった。

 

パネルで観たい映画と席を決めてチケットを取り、ジュースを買って席につく。チケットを確認する受付の人とその狭くて高い机を見たときは、洋画でしか見たことがなかった光景に気分が浮きたった。

 

ピアノの発表会の会場よりは遥かに狭いが、地元の図書館の視聴覚室よりは広かった。意外と人はおらず、自分と友人を入れて20人もいなかったろう。「大ヒット上映中!」の文字がやや虚しい。だが内容は、とても面白かった。シリーズものの最新作のため混乱はしたが、一作目から観てみたいと思える映画だった。

 

以上、初めての映画館の感想である。

 

0の人と、1以上の人は、雲泥の差だと私は考える。0の人に何を話しても、何を掛けても、1以上にはなり得ない。「映画館」と言う常識でさえ、0の人にとっては「マイケルジャクソンがニヤつきながらポップコーンを貪っていた場所」なのだ。0の人がどれだけ知識を積もうと、0なのである。

 

つまり、中国人に会ったことのない人が中国人を批判する様は、クラゲに国歌を熱唱するより滑稽なのだ。フランス人に会ったことのない人がフランス人を語るのも然り。北風に糸を通そうとした方が幾らかマシというものだ。

 

私は1になったことを喜ばしく思う。